継続こそ最大の成果を生む―DMで「空き家所有者」を育てる営業戦略
DM営業で最も成果を左右するのは、「一度だけ送って終わるか」「継続的に段階を踏んで送るか」です。
多くの空き家所有者は、最初の段階ではまだ動き出せません。
心のどこかで「気になってはいるけれど、手続きが面倒」「後回しにしている」という状態のまま、数か月〜数年が経過することも珍しくありません。
そこで重要となるのが、DMを段階的に送付し、見込み客を“育てる”営業戦略です。
■ 1. 1通目は「気づかせる」──まずは状況を認識してもらう段階
最初のDMの役割は、いきなり売却を迫ることではありません。
「空き家を持ち続けるリスク」や「固定資産税の負担」「管理の負担」など、所有者が“自分の状況を理解するきっかけ”をつくる段階です。
「空き家の維持費だけが毎年増えていませんか?」
「相続登記の義務化、ご存じですか?」
など、まずは気づきを与える内容を中心に。
この時点では動かなくても、心の中には“問題意識の種”が確実に植わります。
■ 2. 2通目は「理解させる」──解決方法を具体化し、行動のイメージを持たせる
次のステップでは、空き家をどう扱えばいいのか、解決方法を具体的に示すことが非常に重要です。
・リフォームして貸す
・解体して売る
・現況のまま買取
・相続登記を済ませる
といった現実的な選択肢を提示し、「自分でもできそうだ」と感じてもらう段階です。
またこのタイミングで、空き家活用セミナー・無料相談会の案内をDMで送るのも非常に有効です。
なぜなら、“お客様が動きやすい理由(=行動のきっかけ)”を自然に作れるからです。
実際に、セミナー案内を2通目に盛り込んだ不動産会社では、相談会からの成約率が大きく向上したという事例もあります。
■ 3. 3通目以降は「信頼させる」──継続接触で“思い出す会社”になる
半年〜1年後に送るDMの役割は、“関係を深める”こと。
ここでは、
・事例紹介(ビフォーアフター写真)
・実際にあった空き家解決ストーリー
・「前回のセミナー参加者の声」
・地域の空き家再生実績
など、会社の信頼性を高める情報を送ると効果的です。
特に、“他人の成功事例”は所有者の心に強く残り、「いつか自分も相談しよう」という気持ちを後押しします。
DMを継続することで、「何度も届けてくれた会社」「事例がわかりやすい会社」という認知が蓄積され、所有者が行動する瞬間に最初に思い出してもらえる存在になります。
■ 4. 成功事例:1年半後にDMが成約へ繋がった
実際に、当社の到着確認済みDMリストを活用された企業様で、「1年半前に送ったDMを大切に保管していて、相談が来た」という事例があります。
この会社は、
・半年に1度のDM送付
・小規模な空き家相談会
・具体的な成功事例のDM掲載
を継続しており、所有者からは「ずっと見ていて信頼できる会社だと思った」との声を頂いています。
つまり、“継続接触”と“価値ある情報提供”が、最終的な成約を生んだのです。
■ 5. まとめ ─ DMは“短期決戦”ではなく“育成営業”
空き家DMは、送ってすぐ結果を求めるものではありません。
段階的にアプローチし、所有者の“決断スイッチ”が入るまで、丁寧に関係性を育てる営業ツールです。
1通目:気づきを与える
2通目:解決策を示す(セミナー・相談会の案内が効果的)
3通目以降:事例紹介で信頼形成
このサイクルを回すことで、所有者の「いつか」が「今」に変わり、反響・成約に繋がっていきます。