不動産を所有している方にとって、登記情報の正確さは思った以上に重要です。これまでは「引っ越しをしても、登記の住所はそのまま」という人も少なくありませんでしたが、2026年からはそんな“放置”が通用しなくなります。
政府は、不動産登記の信頼性を高め、空き家や所有者不明土地の増加に歯止めをかけるために「住所等の変更登記の申請義務化」を導入します。これは、所有者が引っ越しなどで住所や氏名を変更した際、その変更を登記に反映させることを“義務”とする制度です。
対象者
不動産を所有している個人または法人が対象になります。
対象となる変更
・住所の変更
・氏名(または法人名)の変更
申請期限
変更があった日から2年以内に変更登記を申請しなければなりません。
罰則あり
正当な理由なく期限内に申請をしなかった場合には、**過料(行政罰)**が科される可能性があります。
実は、所有者不明の土地や空き家の多くは「登記簿上の情報が古い」ことが原因です。所有者の連絡先が分からない、亡くなっているが相続登記もされていない…こうした“登記情報の空白”が、地域の再開発や災害復旧、公共事業の妨げになってきました。
その解消には、登記情報をこまめに更新し「今、誰がこの不動産を持っているか」を明確にしておく必要があります。
住所変更や結婚・離婚による氏名変更があったら、忘れずに登記申請を。
今のうちに、自分名義の不動産の登記内容を確認しておくのも有効です。
将来の相続を見据えて、家族と情報を共有しておくことも大切です。
これまで「手続きが面倒」「費用がかかるから」と後回しにされがちだった住所変更登記。しかし、これからは“やらないリスク”の方がはるかに大きくなります。
登記制度の変化は、不動産を取り巻く環境の変化そのもの。国が本気で「負動産」を減らしにかかっている今、自分の不動産の状況を見直す良い機会かもしれません。