「住所等の変更登記の申請義務化」とは?

不動産を所有している方にとって、登記情報の正確さは思った以上に重要です。これまでは「引っ越しをしても、登記の住所はそのまま」という人も少なくありませんでしたが、2026年からはそんな“放置”が通用しなくなります。

政府は、不動産登記の信頼性を高め、空き家や所有者不明土地の増加に歯止めをかけるために「住所等の変更登記の申請義務化」を導入します。これは、所有者が引っ越しなどで住所や氏名を変更した際、その変更を登記に反映させることを“義務”とする制度です。

どう変わる?──義務化のポイント

  1. 対象者
     不動産を所有している個人または法人が対象になります。

  2. 対象となる変更
     ・住所の変更
     ・氏名(または法人名)の変更

  3. 申請期限
     変更があった日から2年以内に変更登記を申請しなければなりません。

  4. 罰則あり
     正当な理由なく期限内に申請をしなかった場合には、**過料(行政罰)**が科される可能性があります。

なぜ今、義務化なのか?

実は、所有者不明の土地や空き家の多くは「登記簿上の情報が古い」ことが原因です。所有者の連絡先が分からない、亡くなっているが相続登記もされていない…こうした“登記情報の空白”が、地域の再開発や災害復旧、公共事業の妨げになってきました。

その解消には、登記情報をこまめに更新し「今、誰がこの不動産を持っているか」を明確にしておく必要があります。

どう備えるべきか?

  • 住所変更や結婚・離婚による氏名変更があったら、忘れずに登記申請を。

  • 今のうちに、自分名義の不動産の登記内容を確認しておくのも有効です。

  • 将来の相続を見据えて、家族と情報を共有しておくことも大切です。

登記が“義務”になる時代へ

これまで「手続きが面倒」「費用がかかるから」と後回しにされがちだった住所変更登記。しかし、これからは“やらないリスク”の方がはるかに大きくなります。

登記制度の変化は、不動産を取り巻く環境の変化そのもの。国が本気で「負動産」を減らしにかかっている今、自分の不動産の状況を見直す良い機会かもしれません。

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